
女性活躍度調査、上位企業に新課題 三菱UFJ「一般職」廃止も活躍支援強化 (「女性活躍度調査」2026)
出典: 日経ビジネス (原典を開く)
ニュース概要
保険・金融業界などを中心に、「総合職」「一般職」といったコース別人事制度を廃止する企業が相次いでいる。だが、過去の制度が生んだキャリア形成上の格差が顕在化している。
解説
近年、多くの企業で「女性の活躍」が重要なテーマになっていますが、その取り組みが新たな課題に直面していることが明らかになってきました。
これまで、日本では多くの企業が社員を「総合職」と「一般職」という2つのコースに分けて採用・育成してきました。総合職は転勤や幅広い業務を経験し、将来の幹部候補として期待される一方、一般職は主に定型業務を担当し、転勤は少ないものの昇進の機会が限られる傾向にありました。この制度は、特に女性が結婚や出産といったライフイベントを経験する際に、一般職を選ぶことで働き続けやすいという側面もあったかもしれません。
しかし、時代が進み、性別に関わらず誰もが能力を発揮できる社会を目指す中で、このコース別人事制度が見直され始めています。特に保険や金融といった業界では、三菱UFJ銀行のように一般職を廃止し、すべての社員が同じ土俵でキャリアを築けるようにする動きが広がっています。これは、男女間のキャリア形成の格差をなくし、より多様な人材が活躍できる環境を作るための前向きな変化と捉えられます。
ところが、ここで新たな問題が浮上しています。過去に一般職として入社した女性たちが、制度変更によって「みんな同じ」になった後も、これまでのキャリアパスの違いから生じた格差に直面しているのです。例えば、一般職として培ってきたスキルだけでは、総合職出身者と同等の評価や昇進機会を得にくいといったケースが考えられます。また、長年培ってきた専門性が、新しい制度の下では十分に評価されないと感じる人もいるかもしれません。
つまり、制度を廃止するだけでは、過去の慣習が残した影響まで消し去ることはできない、ということです。企業は、単に制度を変えるだけでなく、過去の制度のもとで働いてきた社員一人ひとりのキャリアをどう再構築し、育成していくかという、よりきめ細やかなサポートが求められています。研修機会の提供、ロールモデルの提示、キャリアカウンセリングの強化など、具体的な施策を通じて、すべての社員が未来に向けて安心してステップアップできるような環境を整備することが、真の「女性活躍」へと繋がる道と言えるでしょう。
関連データ
今後の予測
今後の企業の人事戦略は、単なる制度変更に留まらず、よりパーソナルなキャリア支援へと進化していくと考えられます。一つのシナリオとしては、企業が過去のコース別制度で入社した社員に対し、個別のキャリアプランニングやスキルアップ研修を積極的に提供し、総合職への転換や新しい役割への挑戦を促す動きが加速するでしょう。これにより、既存社員のモチベーション向上と、企業全体の生産性向上を同時に目指すことが期待されます。
もう一つのシナリオとして、企業が「ジョブ型雇用」への移行をさらに進める可能性があります。これは、社員の職務内容やスキルを明確にし、それに基づいて評価・報酬を決定する仕組みです。この場合、過去のコースの有無に関わらず、現在の能力と実績が重視されるため、旧一般職の社員も新たなスキルを習得することで、平等なキャリア機会を得やすくなります。ただし、個人のスキルアップへの自己投資がより一層求められる時代になるかもしれません。
いずれのシナリオにおいても、企業には、社員が変化に対応し、自律的にキャリアを築いていけるよう、継続的な学習機会の提供や、多様な働き方を許容する柔軟な人事制度の構築が不可欠となるでしょう。
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