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テクノロジー2026/6/15 17:44:09
iPS細胞で未成熟卵子の体外成熟を支援「Dioseve」シリーズA追加で10億円超を調達

iPS細胞で未成熟卵子の体外成熟を支援「Dioseve」シリーズA追加で10億円超を調達

出典: THE BRIDGE (原典を開く)

ニュース概要

iPS 細胞由来の卵巣支持細胞様細胞を用いた、共培養型卵子体外成熟培養製品を開発する Dioseve は12日、シリーズ A 追加ラウンドで10億円超の資金調達を実施したことを公表した。 既存株主の Archetype […]

解説

不妊治療の分野で、また一つ希望の光が見えてきました。再生医療の技術を応用し、未成熟な卵子を体外で成熟させるための新しい方法が注目されています。

今回、Dioseveという企業が10億円を超える資金を調達したというニュースは、この分野への期待の大きさを物語っています。彼らが開発しているのは、iPS細胞(人工多能性幹細胞)から作った「卵巣支持細胞様細胞」という、卵子を育てる環境を人工的に再現する技術です。これを使うことで、まだ未熟な状態の卵子を体外で育て、受精できる状態にする「体外成熟培養」を助けようとしています。

卵子を体外で成熟させる技術自体は以前からありますが、成功率や効率が課題でした。Dioseveの技術は、iPS細胞由来の細胞を使うことで、より自然に近い環境を作り出し、卵子の成熟を効率的にサポートすることを目指しています。これは、例えば多嚢胞性卵巣症候群などで体内で卵子がうまく育ちにくい方や、がん治療などで卵巣にダメージを受ける可能性がある方が、将来のために卵子を温存したいと考える場合に、新たな選択肢となる可能性を秘めています。

これまでの不妊治療は、体外受精や顕微授精が中心でしたが、これらの治療でも卵子が十分に得られないケースや、質の良い卵子が少ないケースも少なくありません。Dioseveの技術が実用化されれば、これまで治療が難しかった方々にも、妊娠の可能性が広がるかもしれません。また、体への負担が大きいホルモン剤の使用を減らせる可能性も指摘されており、患者さんのQOL(生活の質)向上にも繋がると期待されています。

もちろん、まだ研究段階の技術であり、安全性や有効性のさらなる検証が必要です。しかし、このような最先端の技術が、多くの人々の「子どもを持ちたい」という願いを叶える一助となる可能性を秘めていることは間違いありません。今回の多額の資金調達は、その実現に向けて大きな一歩となるでしょう。

関連データ

Dioseveの資金調達額
10億円超
出典:THE BRIDGE
不妊に悩む夫婦の割合
約5.5組に1組
出典:国立社会保障・人口問題研究所(2015年調査)
体外受精の年間実施件数(日本)
約49万件(2020年)
出典:日本産科婦人科学会
iPS細胞の発見
2006年(山中伸弥教授ら)
出典:京都大学iPS細胞研究所

今後の予測

Dioseveの技術はまだ開発段階ですが、今後の展開にはいくつかのシナリオが考えられます。

**シナリオ1:不妊治療の新たな選択肢として普及** 研究が順調に進み、安全性と有効性が確立されれば、数年後には臨床現場での導入が始まる可能性があります。特に、従来の不妊治療では効果が得られなかったケースや、卵巣機能が低下している方にとって、重要な治療法となるでしょう。これにより、不妊治療を受ける患者さんの幅が広がり、体への負担が少ない治療法として普及するかもしれません。将来的には、がん治療前の卵子凍結など、生殖医療の予防的な側面でも活用が期待されます。

**シナリオ2:技術的課題に直面し、実用化が遅れる** iPS細胞由来の細胞を使う技術は非常に高度であり、長期的な安全性や、個体差による効果の違いなど、予期せぬ課題に直面する可能性もゼロではありません。特に、ヒトの生殖に関わる技術であるため、倫理的な側面や規制当局の審査も厳しく、実用化までの道のりが想定よりも長引く可能性もあります。この場合、さらなる研究開発期間と追加の資金が必要となるでしょう。

**シナリオ3:他分野への応用も視野に** Dioseveの技術は、卵子の体外成熟だけでなく、卵巣の機能不全に関する研究や、薬剤スクリーニングなど、生殖医療以外の分野にも応用できる可能性があります。卵巣の老化メカニズムの解明や、新たな生殖補助医療の開発につながる基礎研究の発展にも寄与するかもしれません。これにより、生殖医療全体の進歩を加速させる触媒となることも考えられます。

ニュースタイムライン

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参考引用

iPS細胞由来の卵巣支持細胞様細胞を用いた、共培養型卵子体外成熟培養製品を開発

THE BRIDGE

シリーズ A 追加ラウンドで10億円超の資金調達を実施

THE BRIDGE
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