
ジャワ原人は現代人と同様に「未熟な」赤ちゃんを産んだ―頭骨の「歪み」からさぐるヒト的難産・育児の起源―
出典: 京都大学 (原典を開く)
ニュース概要(出典記事の要点)
研究者情報研究者名森本 直記京都大学 教育研究活動データベース 概要 東京大学総合研究博物館の海部陽介教授らによる研究グループは、「未熟な赤ちゃん」を産むヒト型出生の進化的起源に関する論文を発表しました。 霊長類の赤ちゃんは一般に「早熟」で、首はすわり、自分の力で母親の毛皮などに…
※ 上記は出典記事の要約です。本サイト独自の分析・背景解説は下記をご覧ください。
3行まとめ
- ジャワ原人も未熟な赤ちゃんを産んだ可能性
- ヒトは霊長類と異なり、育児に時間かかる
- 難産・育児の起源はヒト進化の初期に遡る
解説
普段、動物の赤ちゃんって、生まれたときからしっかりしてるイメージありませんか?例えば、子鹿なんかは生まれた直後からスッと立ち上がって歩き始めますよね。おサルさんの赤ちゃんも、お母さんのお腹にしがみついて、自分で体を支えることができるんです。
ところが、私たち人間、つまりホモ・サピエンスの赤ちゃんは、生まれたときには首もすわっていないし、自分で体を支えることもできません。お母さんやお父さん、周りの大人たちが、長い時間をかけてお世話をしてあげないと、生きていくことができない、いわゆる「未熟な」状態で生まれてくるわけです。
この「未熟な赤ちゃん」を産むという、私たちヒトのユニークな特徴は、いつ頃から始まったのでしょうか?
今回、京都大学の研究グループが注目したのは、約100万年前に生きていたとされる「ジャワ原人」の頭骨です。このジャワ原人の頭骨には、成長の過程で生じた「歪み」が見られました。この歪みから、研究者たちは、ジャワ原人の赤ちゃんも、私たち現代人と同じように、頭が大きいために産道を通るのが難しく、結果として「未熟な」状態で生まれてきたのではないかと推測しています。
つまり、私たちが当たり前だと思っている、手のかかる赤ちゃんを産み、長い時間をかけて育てるという「ヒト的」な出産や育児のスタイルは、驚くべきことに、ジャワ原人の時代、つまりヒト進化のごく初期の段階から始まっていたのかもしれない、というのです。
この発見は、ヒトが他の霊長類と比べて、なぜこれほどまでに長い育児期間を必要とするのか、その進化的なルーツを探る上で、非常に重要な手がかりとなります。赤ちゃんが未熟な状態で生まれてくるということは、親や集団にとって大きな負担となりますが、その一方で、その未熟な時期に、親や仲間から多くのことを学び、社会性や文化を身につけていくための時間も与えられている、と考えることもできます。この「未熟さ」こそが、ヒトという種が複雑な社会を築き、高度な文化を発展させてきた原動力の一つなのかもしれませんね。
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参考引用
“「未熟な」赤ちゃんを産むヒト的出生の進化的起源
― 京都大学
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