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国内2026/6/17 14:00:00
成年後見制度を見直す法改正 今の利用者はどうなる?今後の課題は?

成年後見制度を見直す法改正 今の利用者はどうなる?今後の課題は?

出典: 朝日新聞デジタル (原典を開く)

ニュース概要

認知症や知的障害などで判断能力が不十分な人をサポートする成年後見制度。この制度を見直す改正民法が、6月17日に成立しました。今回の見直しはどういう内容なのか、改正法成立後にどんなことが課題になるのか…

解説

認知症や知的障害など、様々な理由でご自身の判断が難しくなった方を支える「成年後見制度」が大きく変わろうとしています。この制度を定めている民法が、このたび改正されました。

成年後見制度は、判断能力が不十分な方に代わって、財産管理や契約手続きなどを行う「後見人」を選任することで、その方の生活や権利を守るための仕組みです。しかし、これまでの制度には「使いにくい」「柔軟性に欠ける」といった声も少なくありませんでした。

今回の改正では、特に「本人の意思を尊重する」という点が強調されています。これまでは、後見人が選ばれると、その方の財産管理について本人の意思が反映されにくい場面がありました。例えば、住み慣れた家を売却するかどうかの判断や、どのような医療を受けるかといった重要な選択において、後見人の判断が優先されてしまうこともあったのです。今回の改正では、本人の意思をより細やかに汲み取り、それを後見人の職務に反映させるためのルールが強化されます。これにより、たとえ判断能力が不十分であっても、その人らしい生活が維持できるよう、制度が寄り添う形を目指しています。

また、後見人が選ばれるまでの手続きも、これまで以上に丁寧になる見込みです。これまでは、一度後見人が選任されると、その関係を解消するのが難しいという課題がありました。今回の改正では、本人が回復した場合など、状況の変化に応じて後見の必要性を柔軟に見直せるよう、手続きの透明性や見直しに関する規定が整備されます。これは、制度が一度始まると元に戻せないという硬直的なイメージを和らげ、より利用しやすいものにするための重要な一歩と言えるでしょう。

さらに、後見人の候補者を本人があらかじめ指名できる「任意後見制度」の利用促進も今回の改正の柱の一つです。元気なうちに「もしもの時」に備えて、信頼できる人に後見人をお願いしておくことで、将来への不安を軽減できます。このような、本人が自ら将来を選ぶ力をサポートする側面も強化されることで、成年後見制度全体が、より個人の尊厳に配慮した制度へと進化していくことが期待されています。

この改正は、高齢化が進む日本社会において、誰もが安心して暮らせるための基盤を強化するものです。制度がより身近で、使いやすいものになることで、多くの人がその恩恵を受けられるようになることが望まれます。

関連データ

成年後見制度の利用者数(2022年12月時点)
約24万人
出典:最高裁判所
うち、認知症を原因とするもの
約7割
出典:最高裁判所
後見人等に選任された人の属性(2022年)
親族以外(弁護士、司法書士など専門職)が約8割
出典:最高裁判所
任意後見契約の登記件数(2022年)
1万6,349件
出典:法務省

今後の予測

今回の法改正によって、成年後見制度はより利用者の意思を尊重し、柔軟な運用が期待されるようになります。一つのシナリオとしては、制度への信頼が高まり、利用をためらっていた人々が積極的に活用するようになるでしょう。特に、元気なうちから将来に備える「任意後見制度」の利用が加速し、個人のライフプランに合わせた後見の形が多様化する可能性があります。これにより、家族や親族の負担も軽減され、社会全体での支え合いがよりスムーズになることが考えられます。

一方で、課題も残ります。後見人となる人材の確保と質の向上は引き続き重要なテーマです。本人の意思を細やかに汲み取るためには、後見人に高度な専門性と倫理観が求められますが、その育成やサポート体制の強化が追いつかなければ、制度の恩恵を十分に受けられないケースも出てくるでしょう。また、改正内容が現場に浸透し、実際に運用されるまでには時間と労力がかかります。制度改正の周知徹底や、関係機関との連携強化が不十分な場合、期待される効果が十分に発揮されない可能性も否定できません。

将来的には、テクノロジーを活用した後見支援のあり方も検討されるかもしれません。例えば、本人の生活状況をモニタリングし、後見人に情報を提供するシステムや、財産管理をより透明化するデジタルツールなどが開発されることで、後見人の負担軽減と本人の権利擁護の両立が図られる可能性もあります。しかし、その際には情報セキュリティやプライバシー保護といった新たな課題も浮上するため、慎重な議論が求められるでしょう。

ニュースタイムライン

  1. 2026年6月17日

    インサイド霞が関:「死ぬまで継続」廃止へ 成年後見制度見直し 背景に単身世帯増

    毎日新聞

  2. 2026年6月17日

    認知症1000万人時代 変わる成年後見制度 浮かぶ新たな課題

    毎日新聞

参考引用

判断能力が不十分な人をサポートする成年後見制度。

朝日新聞デジタル

改正民法が、6月17日に成立しました。

朝日新聞デジタル
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