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business2026/6/17 5:00:00
しわ寄せはまた氷河期世代に 初任給バブルへの原資転用、我慢の限界 (河合薫 上司と部下の力学)

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しわ寄せはまた氷河期世代に 初任給バブルへの原資転用、我慢の限界 (河合薫 上司と部下の力学)

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ニュース概要

私はこれまでたくさんの「現場の声」を聞いてきたが、本当に「働かないおじさん」など1人もいなかった。現場の人は仕事のことを深く考え、思いを寄せている。それは経営者の想像をはるかに超えるものだ。

解説

最近、「初任給の引き上げ」というニュースをよく耳にしますね。優秀な若い人材を確保しようと、多くの企業が新卒の給与を上げています。これは、企業が未来への投資として、若い世代に期待をかけている証拠とも言えるでしょう。しかし、その一方で、この「初任給バブル」と呼ばれる動きが、社内の他の世代、特に「氷河期世代」と呼ばれる人たちに、しわ寄せをもたらしているのではないかという議論も出てきています。

「氷河期世代」とは、主に1970年代前半から1980年代半ばに生まれた世代を指します。彼らが社会に出た頃は、バブル経済が崩壊し、就職が非常に厳しかった時代でした。希望する職に就けなかったり、非正規雇用を余儀なくされたり、苦労を重ねてきた人が少なくありません。そんな彼らが今、職場で中堅やベテランとして活躍しているケースも多いはずです。

今回の議論の核心は、新しい社員の給与を上げるために、既存社員の給与水準や評価が相対的に据え置かれたり、あるいはその原資が既存社員の待遇改善に回されなかったりするのではないか、という懸念です。会社全体の人件費には限りがある中で、一部の層に手厚くすれば、別の層にしわ寄せがいくのではないかという見方ですね。特に、長年会社を支えてきたにも関わらず、経済的な恩恵を十分に受けられなかった氷河期世代が、再び「我慢」を強いられる構図になっているのではないか、という指摘は、多くの人にとって共感できる部分があるかもしれません。

もちろん、企業が新しい才能を惹きつけるために初任給を上げるのは、企業の成長戦略としては理解できます。しかし、社内の世代間の公平感やモチベーション維持も、非常に重要な課題です。長年会社に貢献してきた社員が「報われない」と感じてしまえば、組織全体の士気にも影響が出てくるでしょう。これは、単なる賃金の問題だけでなく、社員一人ひとりの会社に対する信頼感や、働きがいにも深く関わる問題だと言えます。

企業は、新しい人材を確保しつつ、既存の社員、特にこれまで苦労してきた世代が納得して働けるような、バランスの取れた人事戦略が求められています。給与だけでなく、キャリアパスの提示、スキルアップの機会、働きやすい環境づくりなど、多角的な視点から社員のエンゲージメントを高める努力が必要不可欠です。すべての社員が「自分は会社に必要とされている」と感じられるような、公正で透明性のある評価制度や報酬体系の構築が、これからの企業には強く求められているのではないでしょうか。

関連データ

2024年卒 大卒初任給
平均21万5000円(前年比2.5%増)
出典:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」
氷河期世代の非正規雇用割合(2000年代初頭)
約20%(全世代平均より高水準)
出典:内閣府「経済財政白書」
企業の採用意欲(2023年時点)
7割以上の企業が採用計画を「増やす」または「維持」
出典:リクルートワークス研究所「採用動向調査」
世代間の賃金格差に対する意識
若手社員の賃上げを支持する一方で、自身の待遇改善を求める声も多い
出典:各種メディアによるアンケート調査

今後の予測

今後の動向としては、いくつかのシナリオが考えられます。

**シナリオ1:世代間格差の是正とエンゲージメント向上** 企業が初任給引き上げの恩恵を既存社員にも広げ、全体的なベースアップや、スキルアップ支援、キャリアパスの多様化など、非金銭的報酬も含めた施策で世代間の不公平感を解消しようとする動きが加速するでしょう。これにより、社員全体のモチベーションが向上し、企業文化もより強固になる可能性があります。

**シナリオ2:人材流動性の高まりと企業間の競争激化** もし世代間の格差が是正されない場合、特に氷河期世代や中堅層の不満が高まり、転職を考える人が増える可能性があります。これにより、企業は優秀な中堅社員の流出に直面し、中途採用市場での競争がさらに激化するかもしれません。企業は、新卒だけでなく、既存社員の定着にもより力を入れる必要が出てくるでしょう。

**シナリオ3:政府による介入と政策誘導** 社会全体で世代間格差が大きな問題として認識されるようになれば、政府が企業に対して、世代間の賃金バランスを考慮した人事制度の導入を促すような政策を打ち出す可能性も考えられます。例えば、特定の世代への賃上げを促す補助金や税制優遇などが検討されるかもしれません。これにより、企業はより公平な報酬体系の構築を求められることになります。

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参考引用

本当に「働かないおじさん」など1人もいなかった。

日経ビジネス

現場の人は仕事のことを深く考え、思いを寄せている。

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