
株高&金利高なのに…投資信託で「100万円の元本割れ」の落とし穴にハマったワケ - 老後のお金クライシス! 深田晶恵
ニュース概要
日経平均株価が一時7万円を超えるなど、株高の状況が続いている。また、日銀はさらなる利上げを決定。政策金利を1%程度へ引き上げる。そんな株高&金利高の状況にもかかわらず、保有している資産が「元本割れ」に陥っている人がいる。しかも、「リスクを抑えたい」と考えて投資信託を選んだのに……。なぜなのか。
解説
最近、テレビやニュースで「株価が上がった!」「景気が良くなっている!」という話をよく耳にしますよね。実際、日本の株価を代表する日経平均株価は、一時的にではありますが、バブル期以来の高値を更新しました。さらに、これまで長らく低かった金利も、日本銀行が少しずつ引き上げを始めています。通常、株価が上がったり金利が高くなったりすると、「投資をしている人は儲かっているんだろうな」と思いがちです。
ところが、そんな世の中のムードとは裏腹に、「あれ? 私の持っているお金、減ってるんだけど…」と困惑している人も少なくありません。特に、「リスクは避けたいから」と慎重に選んだはずの投資信託で、元のお金(元本)よりも減ってしまっている、いわゆる「元本割れ」に陥っているケースが見受けられます。これは一体どういうことなのでしょうか。
その大きな理由の一つは、「為替レート」の動きにあります。多くの人が「リスクを抑えたい」と思って選ぶ投資信託の中には、海外の株式や債券に投資しているものがたくさんあります。例えば、アメリカの株に投資する投資信託を買ったとしましょう。このとき、日本円を米ドルに換えて投資し、後で日本円に戻すことになります。もし、投資している間に円の価値がドルに対して下がってしまえば(円安になれば)、たとえアメリカの株が少し値上がりしていても、日本円に戻したときにはかえって損をしてしまうことがあるのです。最近は、歴史的な円安が進んでいるため、海外資産に投資している多くの人がこの影響を受けています。
もう一つのポイントは、「金利」の動きです。金利が上がると、一般的に債券の価格は下がります。投資信託の中には、国内外の債券を組み入れているものも多くあります。日本銀行が金利を引き上げているだけでなく、世界的に見ても金利が上昇傾向にあるため、債券の価格が下がり、それが投資信託全体の評価額を押し下げている、という状況も考えられます。
つまり、「株高」や「金利高」というニュースだけを見て「投資は儲かる」と一概に考えるのは少し危険なのです。投資信託は、様々な資産を組み合わせているため、個々の資産の動きだけでなく、為替や金利の動きなど、複数の要因が絡み合ってその価値が決まります。特に、リスクを抑えたいと思っていても、その投資信託がどのような資産に、どのような形で投資しているのかをしっかり理解しておくことが、自分の大切なお金を守る上で非常に重要になってきます。
関連データ
今後の予測
今後、投資信託を取り巻く環境はいくつかのシナリオが考えられます。
**シナリオ1:円安が続く、あるいはさらに進む場合** もし円安がさらに進むようであれば、海外資産に投資している投資信託は、たとえ投資先の株価が堅調でも、円に換算したときに元本割れの状態が続く可能性があります。特に、為替ヘッジ(為替変動リスクを低減する仕組み)をしていない商品を選んでいる場合は、その影響を強く受けるでしょう。一方で、海外の企業から日本へ輸出する企業にとっては追い風となり、その企業の株価が上がることで、間接的に恩恵を受ける可能性もあります。
**シナリオ2:円高に転じる場合** もし、日米の金利差縮小や日本の景気回復期待などで円高に転じた場合、これまで円安で評価額が目減りしていた海外資産への投資信託は、為替差益によって評価額が回復する可能性があります。ただし、急激な円高は輸出企業の業績に悪影響を与え、日本株全体を押し下げる要因となることも考えられます。
**シナリオ3:金利がさらに上昇する場合** 日本銀行がさらに金利を引き上げた場合、国内の預貯金の金利も上昇し、投資信託以外の選択肢の魅力が増すかもしれません。また、債券価格は金利上昇で下落する傾向があるため、債券中心の投資信託は引き続き厳しい状況が続く可能性があります。しかし、金利上昇は銀行などの金融機関の収益改善につながり、関連する企業の株価を押し上げる可能性も秘めています。
投資家は、これらの複数のシナリオを考慮し、自身の投資目的やリスク許容度に合わせて、ポートフォリオ(資産の組み合わせ)の見直しを検討することが重要になるでしょう。
ニュースタイムライン
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参考引用
“株高&金利高なのに…投資信託で「100万円の元本割れ」
― ダイヤモンド・オンライン
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