
郵便投票「不正論」再燃 トランプ氏、中間選挙へ攻勢―米中間選挙
出典: 時事通信 (原典を開く)
ニュース概要
【ワシントン時事】米西部カリフォルニア州で今月実施された11月の中間選挙の予備選結果を受け、トランプ大統領が郵便投票制度を「不正」と決め付け批判を強めている。同州ロサンゼルス市長選でトランプ氏の推す候補が「逆転負け」して本選に進めなかったためだ。
解説
アメリカの選挙を巡って、またしても「郵便投票は不正だ!」という声が大きくなっています。この声の主は、ご存じドナルド・トランプ前大統領。きっかけは、最近行われたカリフォルニア州の選挙結果でした。
具体的に何があったかというと、カリフォルニア州ロサンゼルス市長選の予備選挙で、トランプ氏が応援していた候補者が、当初有利と思われていたにもかかわらず、最終的に本選へ進めなかったのです。この「逆転負け」を受けて、トランプ氏はすぐに「郵便投票が悪さをした」と主張し始めました。まるで、自分が推す候補が負けたのは、制度に問題があったからだ、と言っているかのようです。
アメリカでは、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、2020年の大統領選挙で郵便投票が大きく広がりました。それまでにも一部の州では行われていましたが、全国的にこれほど利用されたのは初めてのことです。人との接触を避けるために有効な手段として導入されたのですが、この時もトランプ氏は「不正の温床になる」と批判していました。結局、多くの専門家や選挙管理委員会は大規模な不正はなかったと結論づけていますが、彼の支持層の中には今もその疑念を抱いている人が少なくありません。
なぜトランプ氏がこれほど郵便投票にこだわるのか、その背景にはいくつかの理由が考えられます。一つは、彼の支持層、特に高齢者や地方に住む人々は、伝統的な投票所での投票を好む傾向があると言われています。一方で、郵便投票は若い世代や都市部の有権者、あるいは特定のマイノリティ層にとって、投票へのハードルを下げる効果があるとも指摘されています。つまり、郵便投票が普及することで、トランプ氏が不利になるような層の投票率が上がる可能性を懸念しているのかもしれません。
もう一つは、選挙結果が自身の期待と異なる場合に、「不正があった」と主張することで、支持者の不満を吸収し、結束を強める戦略です。これは、彼が過去の選挙でも度々使ってきた手法であり、今回のカリフォルニア州の事例も、11月の中間選挙に向けて、支持層を再び盛り上げるための攻勢と見ることができます。中間選挙は、アメリカの政治の方向性を大きく左右する重要な選挙であり、トランプ氏としては、共和党の勝利を確実にするため、あらゆる手段を使って影響力を保持しようとしているのでしょう。
郵便投票の安全性については、各州が様々な対策を講じています。例えば、署名の照合や身分証明の確認、投票用紙の追跡システムなどです。しかし、これらの対策が完璧ではないという批判や、制度の穴を突くような不正が行われる可能性を完全に排除できないという意見も存在します。重要なのは、不正の有無を感情論ではなく、客観的な事実に基づいて検証し、必要であれば制度を改善していくことです。しかし、政治的な思惑が絡むことで、冷静な議論が難しくなっているのが現状と言えるでしょう。
関連データ
今後の予測
今後のアメリカの選挙では、郵便投票を巡る議論がさらに活発になるでしょう。一つのシナリオとしては、トランプ氏の影響力が続く限り、共和党内では郵便投票への不信感が根強く残り、各州で郵便投票の制限を求める動きが加速する可能性があります。これにより、投票アクセスが一部の有権者にとって難しくなり、投票率に影響が出るかもしれません。特に、激戦州での郵便投票のルール変更は、選挙結果を大きく左右する要因となるでしょう。
別のシナリオとしては、郵便投票の安全性を高めるための技術的な改善や、不正防止策の強化が進むことで、制度への信頼が徐々に回復する可能性も考えられます。例えば、より厳格な身元確認システムや、ブロックチェーン技術を活用した投票履歴の透明化などが導入されれば、両陣営が納得できるような共通の基盤が築かれるかもしれません。しかし、これには州ごとに異なる選挙法を統一する必要があり、実現には時間がかかります。
最も懸念されるのは、郵便投票に対する不信感が、選挙結果そのものへの不信感へとつながり、社会の分断をさらに深めることです。もし、中間選挙や将来の大統領選挙で、僅差の勝負になった場合、「不正があった」という主張が大規模な抗議活動や政治的な混乱を引き起こす可能性も否定できません。これは、アメリカの民主主義の根幹を揺るがしかねない深刻な問題であり、冷静な事実検証と、政治的な対立を超えた合意形成が強く求められます。
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