
藤原章生の不思議なムトゥワ:南アのシャーマンゆかりのワニ山へ 出会った男性に起きたこと
出典: 毎日新聞 (原典を開く)
ニュース概要(出典記事の要点)
クレド・ムトゥワ(1921~2020年)について聞いて回っていると不思議なことが起きる。そもそも私がムトゥワに引き込まれたのは、彼の大著「インダバ・マイ・チルドレン」を24年末に南アフリカで読んだとき、梅原猛のデビュー作「神々の流竄(るざん)」を開いたときと同じ、えたいの知れない…
※ 上記は出典記事の要約です。本サイト独自の分析・背景解説は下記をご覧ください。
解説
南アフリカの民間伝承者・クレド・ムトゥワ。この人物の名前を聞くたびに、周囲で不思議な出来事が起こるという。そんな一見オカルト的な現象を報告しているのが、毎日新聞の連載「藤原章生の不思議なムトゥワ」です。でも、これは単なるスピリチュアル記事ではなく、実は現代人の心理と深く関係しているかもしれません。
ムトゥワは1921年生まれで、2020年に亡くなった人物です。彼の著作『インダバ・マイ・チルドレン』は、南アフリカ・コーサ族やズール族の民間伝承や神話をまとめた大部の作品。著者の藤原章生さんがこの本を読んだときに感じたのは、日本の思想家・梅原猛の初期著作『神々の流竄』を開いたときと同じような「言葉では説明しがたい熱量」だったといいます。
この「えたいの知れない熱量」というフレーズが興味深いのです。なぜなら、それは古い知識体系や伝承が現代人に与える不可思議な吸引力を描いているから。
現代は情報があふれている時代です。スマートフォンをひらけば、科学的に検証された情報が次々と流れてきます。そんな中で、ムトゥワのような民間伝承者や、梅原猛のような宗教哲学者の著作に惹かれるのは、実は私たちが何かを求めているサインかもしれません。それは、論理では説明できない世界観、あるいは都市化によって失われた人間の根源的な感覚かもしれません。
南アフリカという舞台も重要です。アパルトヘイト時代を経験した国で、植民地化によって歪められた伝統を復元しようとした知識人たちの営みがありました。ムトゥワもそのひとりだったのでしょう。ヨーロッパ化される前の、アフリカの民族の精神世界を記録することは、単なる民族学的な作業ではなく、奪われた歴史の復権という意味があったはずです。
この連載で著者が「不思議なこと」を報告するのは、ムトゥワという人物が持つ生命力や思想の影響力を、常識的な言葉では伝えられないからではないか。つまり、シャーマン的な民間伝承者の世界に足を踏み入れると、通常の因果関係が通じなくなる、そういう体験を表現しようとしているのかもしれません。
こうした現象への関心の高まりは、世界的なトレンドでもあります。人工知能やデジタル化が進む中で、アフリカ、アジアの伝統知識や先住民の世界観が再評価される傾向が強まっています。それは、西洋近代による世界観が万能ではないことを、私たちが実感し始めたからではないでしょうか。
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参考引用
“ムトゥワに引き込まれたのは、大著『インダバ・マイ・チルドレン』を読んだときの、えたいの知れない熱量
― 毎日新聞
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