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world2026/6/17 11:55:00
成年後見、終身利用を見直し 改正民法が成立、デジタル遺言導入

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成年後見、終身利用を見直し 改正民法が成立、デジタル遺言導入

出典: 時事通信 (原典を開く)

ニュース概要

認知症の人らを支援する「成年後見制度」の終身利用を見直す改正民法は、17日の参院本会議で与党と立憲民主、国民民主両党などの賛成多数で可決、成立した。パソコンなどで作成する「保管証書遺言(デジタル遺言)」の導入も盛り込んだ。

解説

認知症などで判断能力が不十分になった方を守り、財産管理などを手助けする「成年後見制度」が、大きく変わることを皆さんはご存じでしょうか?

これまでの制度は、一度利用を始めると基本的に本人が亡くなるまで続く「終身利用」が前提でした。しかし、認知症の症状が改善したり、本人の判断能力が回復したりしても、なかなか制度から抜け出せないという課題が指摘されていました。まるで一度入ったら出られない「一方通行の道」のようだったのです。今回の民法改正では、この「終身利用」のあり方を見直すことになりました。具体的には、本人の判断能力が回復した場合などに、成年後見人の職務を終えることができる道筋が作られることになります。これは、本人の意思を尊重し、社会参加を促すという点で非常に重要な変化と言えるでしょう。

なぜこのような見直しが必要だったのでしょうか。背景には、認知症の早期発見や治療技術の進歩があります。以前は一度認知症と診断されると回復は難しいと考えられがちでしたが、近年では症状が一時的に改善したり、軽度であれば社会生活を維持できたりするケースも増えています。そうした状況で、本人の意思に反して終身で後見制度を利用し続けることは、かえって本人の尊厳を損ねる可能性がありました。今回の改正は、現代の医療や社会情勢に合わせた、より柔軟な制度へと進化させる試みと言えます。

また、今回の改正では「保管証書遺言」、いわゆる「デジタル遺言」の導入も注目されています。これまでは、手書きの遺言書か、公証役場で作成する公正証書遺言が主な選択肢でした。しかし、現代社会ではパソコンやスマートフォンで文書を作成するのが当たり前になっています。デジタル遺言は、パソコンなどで作成した遺言書を法務局が保管する仕組みを導入することで、これまで手書きが苦手な方や、遺言書の保管に不安を感じていた方にとって、遺言を残しやすくなるメリットがあります。これにより、遺言の作成がより身近になり、自分の財産をどのように引き継ぐかという意思表示がしやすくなることが期待されます。

これらの改正は、超高齢社会を迎える日本において、誰もが安心して暮らせる社会を作るための大きな一歩と言えるでしょう。私たちは、いつか自分自身や家族がこうした制度と向き合う日が来るかもしれません。今回の改正をきっかけに、一度、自分たちの未来について考えてみる良い機会ではないでしょうか。

関連データ

成年後見制度の利用者数(令和4年)
約24万人
出典:最高裁判所事務総局家庭局
認知症患者数の推計(2025年)
約700万人(高齢者の約5人に1人)
出典:厚生労働省
遺言書作成方法(2020年調査)
自筆証書遺言が約7割を占める
出典:日本公証人連合会
成年後見制度の課題(改正前の主な指摘)
一度開始すると終了しにくい、専門職への報酬負担、本人の意思尊重が難しいケースがある
出典:法務省

今後の予測

今回の改正により、成年後見制度はより利用者の状況に合わせた柔軟な運用が可能になるでしょう。短期的には、制度の終了に関する手続きや基準の整備が進められ、実際に制度から離脱するケースが増える可能性があります。これにより、本人の自立支援や社会復帰が促進されることが期待されます。また、デジタル遺言の導入は、遺言書作成のハードルを下げ、より多くの人が自身の意思を明確に遺せるようになるでしょう。これにより、相続を巡るトラブルの減少にも寄与するかもしれません。

中長期的には、成年後見制度の利用を検討する層が広がり、より早期に支援を受けられるようになる可能性も考えられます。一方で、制度終了の判断基準の透明性確保や、本人の意思確認の難しさといった新たな課題も浮上するかもしれません。デジタル遺言については、セキュリティ対策やデータの永続的な保管方法、さらにはデジタルデータの改ざん防止など、技術的な側面での課題と対策が今後も議論されることになるでしょう。将来的には、AIを活用した意思確認支援など、さらに高度なテクノロジーが制度に組み込まれる可能性も秘めています。

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