
中国、対日レアアース磁石輸出34%減 規制影響か 5月
出典: 毎日新聞 (原典を開く)
ニュース概要
中国税関総署が20日公表した貿易データによると、5月のレアアース(希土類)磁石の日本への輸出量は前月比34・6%減の123トンだった。米中貿易摩擦を受けた輸出管理強化で激減した昨年5月以来の低水準となった。中国政府が1月に始めた軍民両用品目の対日輸出規制の影響が続いているとみられる。
解説
皆さんは「レアアース」という言葉を聞いたことがありますか? スマートフォンやパソコン、電気自動車、エアコンなど、私たちの身の回りにある多くのハイテク製品には、このレアアースが使われています。特に、モーターの性能を左右する「レアアース磁石」は、電気自動車の心臓部とも言える重要な部品です。
今回、中国から日本へのレアアース磁石の輸出量が、5月に大きく減ったというニュースが報じられました。具体的には、前の月に比べて34.6%も減り、昨年5月以来の低い水準になったそうです。なぜこんなことが起きているのでしょうか?
背景にあるのは、中国政府が今年1月から始めた、特定の品目に対する輸出規制です。中国は、世界のレアアースの多くを生産・供給している国です。そのため、中国が輸出を管理すると、世界中の産業に大きな影響が出ます。今回の規制は「軍事にも民間にも使えるもの」を対象にしていると見られており、レアアース磁石もその一つと考えられています。
この動きは、単に「輸出が減った」というだけでなく、日本企業や私たちの生活にも影響を与える可能性があります。例えば、電気自動車のモーターを作るメーカーは、必要な部品が手に入りにくくなったり、価格が上がったりするかもしれません。そうなると、電気自動車の価格が上がったり、生産が遅れたりする可能性も出てきます。
こうした状況は、日本だけでなく、世界中の国々が中国へのレアアース依存度を下げる動きを加速させるきっかけにもなっています。例えば、日本政府は国内でのレアアースの再利用技術の開発を支援したり、中国以外の国からの調達先を増やしたりする取り組みを進めています。アメリカでも同様の動きが見られます。
今回の輸出減は、国際的な経済と安全保障のバランスが変化していることを示す、一つのサインとも言えるでしょう。レアアースは、現代社会を動かす上で欠かせない「戦略物資」であり、その供給を巡る動きは今後も注目していく必要があります。
関連データ
今後の予測
今後のシナリオとして、いくつかの可能性が考えられます。
まず一つ目は、**「規制の長期化と多角化の加速」**です。中国がレアアース磁石の輸出規制を続ける、あるいはさらに厳しくする可能性もあります。これに対し、日本をはじめとする各国は、中国以外の国からの調達先を増やす「サプライチェーンの多角化」や、使用済み製品からレアアースを回収する「リサイクル技術」の開発・実用化をさらに加速させるでしょう。これにより、長期的には中国への依存度が徐々に低下するかもしれません。
二つ目は、**「一時的な調整と交渉による軟化」**です。今回の輸出減が、一時的な需給調整や、国際関係における駆け引きの一環である可能性も否定できません。外交交渉を通じて、輸出規制が緩和される、あるいは特定の品目については例外が設けられるといった形で、状況が改善に向かうシナリオも考えられます。ただし、米中間の対立構造が続く限り、根本的な解決は難しいでしょう。
三つ目は、**「産業構造の変化」**です。レアアース磁石の供給不安が続くことで、企業はレアアースを使わない代替技術の開発に力を入れるかもしれません。例えば、特定のモーターでレアアース磁石を使わない設計への切り替えや、より効率的な使用方法の模索などです。これは、長期的に見て、特定の資源に依存しない持続可能な産業構造への転換を促す可能性があります。
ニュースタイムライン
2026年5月26日
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2026年6月17日
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参考引用
“中国、対日レアアース磁石輸出34%減
― 毎日新聞
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