
ブラジルが中国のレアアース支配に切り込む
ニュース概要
ブラジルは保有する膨大なレアアース資源への需要が高まっている。世界的な鉱業大手は、ブラジルを臨界磁性金属の次の大国であり、中国に代わる選択肢として賭けている。
解説
世界経済で最近注目を集めているのが、ブラジルが持つ『レアアース』という特殊な金属資源です。これらは電子機器やロボット、電気自動車など、現代生活に欠かせない製品を作るのに必要な材料です。
これまで、世界中がこうした資源を中国に大きく頼ってきました。中国が採掘量と加工技術で圧倒的な力を持っていたためです。ところが最近、ブラジルの地中に眠る膨大なレアアース資源が注目されるようになりました。大手鉱山企業は、ブラジルから採掘すれば、中国への依存を減らせるのではないかと考えています。
なぜこのタイミングなのか。ひとつは、電動車やクリーンエネルギーの急速な普及により、レアアースの需要が急増しているからです。もうひとつは、中国が資源の輸出制限を使って外交的な影響力を強める動きが見られ、各国が『他の供給源がほしい』と考えるようになったからです。
ブラジルにとっては経済成長の大きなチャンスです。採掘権の契約金や雇用創出が見込まれます。ただし、採掘による環境破壊やアマゾン熱帯雨林への影響への懸念もあります。また、単に採掘するだけでなく、これを加工して製品化できる技術力が必要という課題も残っています。
関連データ
今後の予測
今後の展開には複数のシナリオが考えられます。
【楽観シナリオ】ブラジルの採掘が本格化すれば、5~10年後には世界供給量の15~20%をブラジルが占める可能性があります。これにより中国への過度な依存が緩和され、国際的なサプライチェーンがより多角化します。
【現実的シナリオ】ブラジルの採掘開始は遅れ、2030年代まで本格稼働しない可能性が高いです。その間、中国の支配力はむしろ強まるかもしれません。また、採掘許可や環境規制の問題で困難が続く恐れがあります。
【懸念シナリオ】採掘による環境汚染や先住民の生活への悪影響が社会問題化し、各国の不買運動につながる可能性もあります。その場合、ブラジルも中国のような『リスクのある供給国』と見なされるようになります。
いずれにせよ、レアアース市場は今後10年が勝負の時期になりそうです。
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