
注目集まる「低・未利用魚」 気候変動も影響 オイシックスが活用した商品を相次ぎ開発
出典: 産経新聞 (原典を開く)
ニュース概要
知名度がなかったり、調理に手間がかかったりすることから、ほとんど流通してこなかった「低・未利用魚」の活用に注目が集まっている。気候変動の影響でこれまで日本近海にいなかった温暖な海域に生息する魚が増加していることや、新興国の人口増などで魚の消費が拡大していることも背景にある。食品宅配大手のオイシックス・ラ・大地では、低・未利用魚を活用したメニューを相次いで開発。
解説
皆さんは「低・未利用魚」という言葉を聞いたことがありますか?これは、漁獲されても、そのほとんどが市場に出回らずに捨てられてしまったり、加工品の材料になる程度だったりする魚たちのことです。例えば、形が不揃いだったり、骨が多くて調理が大変だったり、あるいは単に私たちがあまり知らない魚だったり。そんな魚たちに今、熱い視線が注がれています。
なぜ今、この「低・未利用魚」が注目されているのでしょうか。背景にはいくつかの大きな変化があります。まず、一つ目は「気候変動」です。地球の温暖化が進むにつれて、日本の海の環境も変わりつつあります。これまで日本の近海ではあまり見られなかった、暖かい海に住む魚たちが北上してくるようになりました。これらの魚は、私たち日本人には馴染みが薄く、どうやって食べたらいいのか分からない、という理由で活用されずにいるケースが多いのです。
二つ目は、世界的な「魚の需要増加」です。特に新興国と呼ばれる国々で経済が発展し、人口が増えるにつれて、魚を食べる人が世界中で増えています。限りある水産資源を守りながら、増え続ける需要に応えていくためには、これまでは見過ごされていた魚たちも積極的に活用していく必要があるわけです。
このような状況の中、食品宅配サービスを展開するオイシックス・ラ・大地のような企業が、積極的に低・未利用魚を使った商品を開発しています。彼らの取り組みは、単に新しい商品を作るだけでなく、私たち消費者に新しい魚の美味しさを教えてくれたり、普段の食卓に彩りを加えてくれたりするだけでなく、持続可能な漁業や海の環境を守ることにもつながる、とても大切な一歩だと言えるでしょう。
例えば、調理が難しいとされる魚でも、すでに下処理が済んでいたり、味付けされた状態で届いたりすれば、忙しい日々を送る私たちでも気軽に試すことができます。また、これまで食べたことのない魚と出会うことで、食の幅が広がり、新しい味覚の発見にもつながります。このように、企業の工夫によって、これまで「もったいない」とされてきた魚たちが、私たちの食卓の新たな主役になる可能性を秘めているのです。
低・未利用魚の活用は、私たち消費者が食料資源を大切にする意識を高めるきっかけにもなります。スーパーに並ぶ魚の種類が限られていると感じていた方も、この機会に新しい魚介類に挑戦してみてはいかがでしょうか。それは、海の恵みを無駄なくいただくという、私たちにできる小さな貢献にもなるはずです。
関連データ
今後の予測
今後の「低・未利用魚」の活用は、いくつかの方向で進む可能性があります。
まず、最も期待されるシナリオは、消費者の認知度向上と需要拡大です。食品メーカーや流通企業がさらに多様な商品を開発し、メディアを通じてその魅力が伝えられることで、「低・未利用魚」という言葉が一般化し、食卓に並ぶ機会が増えるでしょう。これにより、漁業者は安定した販路を確保でき、海の資源をより効率的に利用する循環が生まれるかもしれません。
次に、テクノロジーの進化が活用を後押しするシナリオも考えられます。例えば、AIを活用した魚種判別システムや、ロボットによる効率的な下処理技術が開発されれば、これまで手間がかかると敬遠されてきた魚も、加工しやすくなります。これにより、飲食店や加工業者での導入が進み、供給量も安定する可能性があります。
一方で、課題も残ります。例えば、特定の魚種に需要が集中しすぎると、その魚が乱獲されるリスクも出てきます。また、新しい魚種の安全性の確保や、アレルギー表示の徹底なども重要な課題となるでしょう。さらに、気候変動による漁獲量の変動は今後も避けられず、安定した供給体制をどう築くかが常に問われることになります。これらの課題を乗り越え、持続可能な形で「低・未利用魚」が普及していくためには、消費者、漁業者、企業、そして行政が連携し、長期的な視点での取り組みが不可欠となるでしょう。
ニュースタイムライン
2026年6月4日
島嶼国支援で基金設立 世界島嶼国海洋会議、気候変動などの危機感を共有産経新聞
2026年6月4日
島しょ国の気候変動対策支援 日本財団が160億円の資金拠出へ毎日新聞
2026年6月9日
経済プラス:世界初「猛暑に負けない」リンゴ 開発20年「気候変動は商機」毎日新聞
参考引用
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