
【取材】アフリカ金融の次段階は「共通トークン化標準」へ──EDENA Capital CEOが語るステーブルコインの国外流出リスク(NADA NEWS)
ニュース概要
2026年5月に開催された「Africa Day Jakarta」で、EDENA Capital Partners(エデナ・キャピタル・パートナーズ)のCEOであるWook Lee(ウク・リー)氏は、
解説
アフリカの金融市場が、次の大きな変化の波に乗ろうとしています。特に注目されているのが、デジタル通貨、つまり「ステーブルコイン」の活用と、それに伴う課題です。
ステーブルコインとは、その名の通り「安定(ステーブル)」した価値を持つデジタル通貨のこと。ビットコインのような価格変動の激しい仮想通貨とは異なり、米ドルやユーロといった法定通貨に連動することで、その価値の安定を保っています。アフリカでは、これまで銀行口座を持てなかった人々(アンバンクト層)にとって、スマートフォン一つで送金や決済ができるデジタル通貨は、まさに金融への扉を開く鍵として期待されてきました。
しかし、このステーブルコインには、アフリカの経済にとって見過ごせないリスクも潜んでいます。EDENA Capital PartnersのCEO、ウク・リー氏が指摘するのは、「国外への資金流出」の問題です。
例えば、アフリカの国々で米ドルに連動するステーブルコインが広く使われるようになるとどうなるでしょうか?人々は自国通貨ではなく、米ドル建てのステーブルコインで貯蓄したり、取引を行ったりするようになります。これは、自国通貨への信頼が低下し、最終的には国外に資金が流出してしまうことにつながりかねません。そうなると、自国通貨の価値が下がり、インフレが進むなど、経済全体に悪影響を及ぼす可能性があります。
この問題を解決するために提案されているのが、「共通トークン化標準」です。これは、アフリカ各国が協力して、互換性のあるデジタル通貨の仕組みを作り、地域内で自由に資金が移動できるようにしようという考え方です。例えば、ケニアのステーブルコインとナイジェリアのステーブルコインがスムーズに交換できるようになれば、わざわざ米ドル建てのステーブルコインを使う必要がなくなり、地域内の経済活動が活発になります。
現在のところ、アフリカでは国によってデジタル通貨に対する規制や取り組みがバラバラです。ある国では中央銀行が発行するデジタル通貨(CBDC)を検討し、別の国では民間企業が発行するステーブルコインが普及し始めています。このような状況で、共通のルールや技術基盤を作ることは、決して簡単なことではありません。
しかし、アフリカはかつて、携帯電話を使ったモバイルマネー「M-Pesa(エムペサ)」で世界を驚かせた歴史があります。固定電話が普及しないまま、一気に携帯電話が広まったように、銀行システムが未発達な地域だからこそ、新しい金融技術が爆発的に普及する可能性を秘めているのです。この共通トークン化標準の動きは、アフリカがデジタル金融の未来を自らの手で切り開こうとする、重要な一歩と言えるでしょう。
関連データ
今後の予測
アフリカの金融市場におけるステーブルコインと共通トークン化標準の動向は、いくつかのシナリオが考えられます。
**シナリオ1:地域連携の加速と標準化の実現** アフリカ諸国が、共通トークン化標準の必要性を強く認識し、地域経済共同体(ECOWAS、EACなど)が主導する形で、技術的な標準化と法規制の調和が進む可能性があります。これにより、域内でのデジタル通貨の流通が活発になり、国外への資金流出リスクを抑えつつ、経済統合が深まるでしょう。アフリカ独自のデジタル経済圏が確立され、グローバルな金融システムにおける存在感を高めることが期待されます。
**シナリオ2:各国独自の発展と競争の激化** 共通標準の策定が難航し、各国がそれぞれ独自のステーブルコインやCBDCを推進する状況が続く可能性もあります。この場合、国境を越えた取引には依然として摩擦が生じ、国際的な主要通貨に連動するステーブルコインへの依存が続くかもしれません。各国間でのデジタル金融サービスの競争が激化し、一部の国が先行する一方で、技術格差や規制の不統一が課題として残るでしょう。
**シナリオ3:国際的な影響力の増大** 米ドルやユーロといった既存の国際通貨に連動するステーブルコインが、アフリカ市場でさらに普及する可能性も考えられます。これは、アフリカの金融システムが国際的な大手テクノロジー企業や金融機関の影響をより強く受けることを意味します。利便性は向上するかもしれませんが、金融主権の維持や、自国通貨の安定性確保が大きな課題となるでしょう。
ニュースタイムライン
2026年6月4日
Stripe・Visa・Mastercard、新たなステーブルコイン基盤を共同計画か=CoinDesk(NADA NEWS)Yahoo!ニュース IT
2026年6月5日
Visa、Canton Networkでステーブルコイン決済の概念実証へ──Braleと提携(NADA NEWS)Yahoo!ニュース IT
2026年6月5日
決済事業者として日本初──JPYCとトレーダム、ステーブルコイン越境決済の実取引を完了(NADA NEWS)Yahoo!ニュース IT
2026年6月9日
3メガバンク、2026年度中に円建てステーブルコイン共同発行へ=日経(NADA NEWS)Yahoo!ニュース IT
2026年6月10日
メガバンク3行のステーブルコイン、いよいよ実取引へASCII.jp
2026年6月10日
3メガバンク共同“信託型”ステーブルコイン 26年度中に実取引へ(Impress Watch)Yahoo!ニュース IT
参考引用
“アフリカ金融の次段階は「共通トークン化標準」へ
― Yahoo!ニュース IT
“ステーブルコインの国外流出リスク
― Yahoo!ニュース IT
記事AI質問チャット
PREMIUMこの記事についてAIが質問に答えます。背景・要約・影響まで深堀り。
ログインして利用🛡️ 読者ファクトチェック0
読者が投稿し、管理者承認後に表示される事実確認情報
まだ承認済みのファクトチェックはありません。
関連記事
こんな記事も読まれています
コメント (0)
まだコメントはありません。最初のコメントを書いてみましょう。
この記事について疑問がありますか?
事実誤認や不適切な内容について通報できます (要ログイン)。
異議申し立て・通報








