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2026年にもなって日本語のTeXワークフローがいまだにDVIを経由しているわけ - golden-luckyの日記
ニュース概要
欧米ではすっかりpdfTeXに移行してPDFを直接生成するワークフローになっているのに、なぜ日本語ではPDFを出力できない(u)pTeXがいまだに生き残っているのか。
解説
皆さんは、論文や技術文書を作成する際に「TeX(テック)」という組版システムを使ったことがありますか?特に理系の学生さんや研究者の方にはおなじみのツールかもしれません。このTeX、実は世界中で使われているのですが、日本と欧米ではその使い方が少し違う、という面白い話があります。
欧米では、TeXを使って文書を作成する際、最終的な出力形式としてPDFファイルを直接生成する「pdfTeX」という方式が主流になっています。PDFは、どんな環境でも同じ見た目で表示・印刷できる便利なファイル形式ですよね。だから、論文を投稿したり、資料を共有したりする際には非常に重宝されます。
ところが、日本ではいまだに「(u)pTeX」という、PDFを直接生成できない方式が根強く使われています。この方式では、一度「DVIファイル」という中間ファイルを作り、それをさらにPDFに変換する、という手間のかかるステップを踏む必要があります。なぜ、こんなにも回りくどい方法が、日本語の文書作成では一般的になってしまったのでしょうか?
その理由は、日本語の複雑さにあります。日本語には、ひらがな、カタカナ、漢字、そして全角文字など、欧米の言語にはない独特の表現がたくさんあります。これらの文字を美しく、正確に組版するためには、非常に高度な処理が必要になります。かつて、日本語のTeXを開発する際、これらの複雑な要素をDVIファイルを介して処理する仕組みが作られました。それが「(u)pTeX」のルーツです。
当時の技術では、日本語の複雑な文字処理を直接PDFに落とし込むのが難しかったため、DVIという中間地点を設けることで、何とか日本語の組版を実現しました。そして、そのシステムが長年にわたって使われ続け、多くの日本語文書がこのワークフローで作られてきました。そのため、今さら新しいシステムに完全に移行しようとすると、過去の資産との互換性の問題や、既存の多くのユーザーが新しい使い方を覚える手間など、様々なハードルが出てくるのです。
もちろん、日本語でも直接PDFを生成できる「LuaTeX-ja」のような新しいシステムも登場しています。しかし、長年の慣習や、安定して動く既存のシステムへの信頼感から、すぐに全てが切り替わるわけではありません。まるで、古くから使われているけれど頑丈で信頼できる道具を、最新の便利な道具が出てもなかなか手放せない、そんな状況に似ているかもしれません。日本語のTeXワークフローは、単なる技術的な問題だけでなく、長年にわたる文化や慣習が深く関わっている、興味深い事例と言えるでしょう。
関連データ
今後の予測
この日本語TeXのワークフロー問題は、今後いくつかのシナリオが考えられます。
まず一つは、現状維持のシナリオです。DVIを経由する(u)pTeXのシステムは、長年の実績と安定性があり、既存の多くのユーザーや組織にとっては使い慣れたツールです。特に、過去の文書資産との互換性を重視する場合、このワークフローが今後も一定のシェアを保ち続ける可能性は高いでしょう。新しいシステムへの移行には、コストや学習曲線の問題が伴うため、急激な変化は起きにくいかもしれません。
次に、緩やかな移行のシナリオです。LuaTeX-jaのような新しい日本語対応のTeXシステムは、モダンな機能を持ち、直接PDFを生成できるという大きなメリットがあります。特に、これからTeXを学び始める学生や、新しいプロジェクトでは、これらの現代的なシステムが選ばれることが増えるでしょう。これにより、徐々にではありますが、DVIを経由しないワークフローが普及していくことが予想されます。特に、クラウドベースの執筆環境や共同作業が増えるにつれて、PDFの直接出力はより重要になってくるはずです。
最後に、ハイブリッドな共存シナリオです。古いシステムと新しいシステムが完全に置き換わるのではなく、用途に応じて使い分けられるようになるかもしれません。例えば、既存の巨大な文書群を扱う場合は従来の(u)pTeXを使い続け、新規のプロジェクトや国際的な共同研究ではLuaTeX-jaのようなモダンなシステムを採用するなど、それぞれの利点を活かす形での共存が考えられます。これは、技術の進化と、長年の慣習や資産のバランスを取る、現実的な着地点となる可能性を秘めています。
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参考引用
“なぜ日本語ではPDFを出力できない(u)pTeXがいまだに生き残っているのか。
― はてなブックマーク IT
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