
「フィジカルAI」の導入拡大 適材適所で技術力発揮 鹿島・桐生雅文社長
出典: 産経新聞 (原典を開く)
ニュース概要
鹿島の社長に26日付で就任した桐生雅文氏は同日までに産経新聞の取材に応じ、深刻化する建設現場の人手不足への対応として、人工知能(AI)でロボットを自立的に動かす「フィジカルAI」の導入を加速させる考えを示した。AIが担えない作業に人的資源を集中させ、〝適材適所〟で設計から建設、維持管理までを一貫して行うことができる同社の強みを伸ばす考えだ。
解説
建設業界が抱える「人手不足」という大きな課題。この難題に、大手ゼネコンの鹿島が新しい技術で立ち向かおうとしています。2026年6月26日付で社長に就任した桐生雅文さんが、その戦略を明らかにしました。
桐生社長が注目しているのは、「フィジカルAI」という技術です。これは、AI(人工知能)がロボットをまるで人間のように、あるいはそれ以上に賢く動かす技術のこと。例えば、危険な場所での作業や、繰り返し行う単純作業などをロボットに任せることができれば、現場で働く人たちの負担を大きく減らすことができます。
建設現場では、熟練の職人さんが高齢化したり、若い世代の担い手が不足したりと、深刻な人手不足が長年叫ばれてきました。さらに、昔ながらのやり方では、どうしても時間がかかったり、コストがかさんだりする面もありました。そこで、「フィジカルAI」の出番というわけです。
この技術を導入することで、鹿島は「適材適所」という考え方を、建設の現場でもっと徹底しようとしています。AIやロボットが得意な作業はどんどん任せ、人間はより高度な判断が求められる仕事や、コミュニケーションが重要な仕事に集中する。設計の段階から、実際に建物を建て、さらには完成した建物を長く使い続けるためのメンテナンスまで、一連の流れを、それぞれの能力を最大限に活かして進めていく。これが、鹿島がこれまで培ってきた強みであり、それをさらに伸ばしていくという狙いです。
AIやロボットが現場で活躍するようになれば、建設のスピードアップや品質の向上も期待できます。また、これまで危険で近寄りがたかった場所での作業も安全に行えるようになり、建設現場全体のイメージも変わっていくかもしれません。鹿島がこの「フィジカルAI」をどのように現場に落とし込み、人手不足の解消と、さらなる技術力の向上につなげていくのか、注目が集まります。
今後の予測
「フィジカルAI」の導入は、鹿島だけでなく、建設業界全体の未来を左右する可能性を秘めています。今後、この技術がどのように進化し、社会に浸透していくのか、いくつかのシナリオが考えられます。
まず、順調に進んだ場合。鹿島が成功事例を積み重ねることで、他の建設会社も追随し、建設現場のDX(デジタルトランスフォーメーション)が急速に進むでしょう。AI搭載ロボットが当たり前になり、建設コストの低減や工期の短縮が実現。これにより、住宅不足の解消やインフラ整備の加速につながるかもしれません。
一方で、技術的な課題やコスト面でのハードルが予想以上に高い場合。導入は一部の大手企業に限られ、中小企業との技術格差が広がる可能性もあります。また、AIやロボットに仕事を奪われることへの現場作業員の不安や、新たなスキルの習得を求める声が高まるかもしれません。
さらに、倫理的な問題や安全性の確保も重要な論点となります。AIが予期せぬ誤作動を起こした場合の責任問題や、高度に自動化された現場での人間との協働におけるルール作りなど、社会全体で議論していくべき課題も出てくるでしょう。鹿島の取り組みは、こうした未来への布石となるかもしれません。
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参考引用
“「フィジカルAI」の導入を加速させる考えを示した
― 産経新聞
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