
AI時代でもSIerは人月商売 老朽システムで「浦島太郎」となる技術者の悲惨 (木村岳史の極言暴論!)
出典: 日経ビジネス (原典を開く)
ニュース概要
生成AIがプログラムをつくる時代になりつつあるのに、人月商売の親玉であるSIerには「当分の間は食っていける」とたかをくくっている経営者が多い。確かに現実問題としてはそうなんだ。ただし、人月商売の技術者は「浦島太郎」になる恐れもあるぞ。
解説
最近、テレビやニュースで「AIがすごい!」という話題をよく耳にしますよね。特に、AIが文章を書いたり、絵を描いたりするだけでなく、プログラミングまでできるようになる、なんて話を聞くと、私たちの仕事や生活はどうなるんだろう?とちょっと不安になる人もいるかもしれません。
今回のテーマは、そんなAIの進化と、日本のIT業界の古くからのビジネスモデル「SIer(エスアイアー)」の関係についてです。SIerというのは、企業から依頼を受けて、システム開発や運用を請け負う会社のこと。彼らの多くは、システムを作るのにかかった「人の時間」と「単価」を掛け合わせて料金を決める「人月商売」というやり方で仕事をしてきました。例えば、「このシステムを作るのに、人が10ヶ月かかったから、10人月分の料金をください」といった具合です。
AIがプログラミングを自動でできるようになれば、システム開発にかかる「人の時間」は劇的に減るはず。そうなると、人月商売で成り立ってきたSIerのビジネスモデルは、根底から揺らいでしまうように思えますよね。でも、現実には「まだまだ大丈夫だろう」と考えているSIerの経営者が少なくない、というのがこの記事の問題提起です。
なぜそんな風に考えていられるのでしょうか? それにはいくつか理由があります。一つは、日本にはまだまだ古いシステムがたくさん残っていて、それらのメンテナンスや改修には、AIだけでは対応しきれない部分が多いということ。長年使われてきたシステムは、複雑で独特な作りになっていることが多く、それを理解し、手直しできる「熟練の技術者」がどうしても必要になります。AIが新しいシステムを作るのは得意でも、古いシステムの「お医者さん」になるのはまだ難しいのです。
もう一つは、多くの企業がITシステムを導入する際に、新しい技術やAIを積極的に取り入れるよりも、「これまでと同じように動くこと」を重視する傾向があるからです。特に大きな企業ほど、システムの変更には慎重で、安定稼働を最優先します。そのため、SIerは既存のやり方を変えずに、依頼された通りのシステムを作り続けることで、当面は仕事を確保できると考えているわけです。
しかし、このままでは、SIerで働く技術者たちが「浦島太郎」になってしまう危険性があると筆者は警鐘を鳴らします。浦島太郎は、竜宮城で楽しい時間を過ごした後、地上に戻ると長い年月が経っていて、世の中がすっかり変わっていた、というお話。同じように、古いシステムの保守ばかりに携わっていると、最新のAI技術やクラウドといった新しい技術トレンドから取り残されてしまい、いざAIが主流になった時に、自分のスキルが通用しなくなってしまうかもしれない、という懸念です。
私たち消費者や、ITシステムを使う企業にとっても、この問題は無関係ではありません。AIの進化によって、もっと便利で使いやすいシステムが、もっと安く手に入るようになる可能性を秘めています。しかし、SIerが古いやり方に固執し続けると、その恩恵を十分に受けられないかもしれません。IT業界全体が、AI時代にどう変化していくのか、注目していく必要がありそうです。
関連データ
今後の予測
AIの進化は、SIerのビジネスモデルに大きな変化をもたらす可能性を秘めています。今後のシナリオとしては、いくつかのパターンが考えられます。
一つ目は「緩やかな変革シナリオ」です。多くのSIerは、既存のレガシーシステム(古いシステム)の保守・運用で当面は収益を確保しつつ、徐々にAIを活用した開発手法や、クラウドサービスへの移行支援にシフトしていくでしょう。この場合、技術者は古いシステムと新しい技術の両方に対応できる「ハイブリッド型」のスキルが求められるようになります。変化はゆっくりですが、最終的にはAIが主流となる開発体制へと移行していくことが予想されます。
二つ目は「二極化シナリオ」です。AI技術を積極的に取り入れ、最新のソリューションを提供するSIerと、あくまで古いシステムの保守に特化するSIerに分かれるかもしれません。前者は高付加価値なサービスで成長を続け、後者は徐々に市場が縮小し、厳しい競争にさらされるでしょう。技術者も、新しい技術を習得した者と、取り残される者との間で格差が広がる可能性があります。
三つ目は「劇的変化シナリオ」です。もしAIのプログラミング能力が予想以上に急速に進化し、古いシステムの改修や新しいシステム開発のほとんどをAIが担えるようになった場合、人月商売のビジネスモデルは一気に崩壊するかもしれません。この場合、SIerはシステム開発そのものよりも、顧客の課題を深く理解し、AIをどう活用するかをコンサルティングする役割や、AIが生成したコードの品質保証、AIシステムの運用・監視といった、より高度なサービスへとシフトせざるを得なくなるでしょう。技術者も、プログラミングスキルよりも、AIを使いこなす能力や、ビジネス課題を解決する力が重視されるようになります。
ニュースタイムライン
2026年6月4日
人売りベンダーの経営者は悔い改めよ 今だけSIerを下克上するチャンスあり (木村岳史の極言暴論!)日経ビジネス
2026年6月11日
カイゼン活動の亡霊「DTK」 デジタル・タコツボ・カイゼンが変革を骨抜き (木村岳史の極言暴論!)日経ビジネス
参考引用
記事AI質問チャット
PREMIUMこの記事についてAIが質問に答えます。背景・要約・影響まで深堀り。
ログインして利用🛡️ 読者ファクトチェック0
読者が投稿し、管理者承認後に表示される事実確認情報
まだ承認済みのファクトチェックはありません。
関連記事

カイゼン活動の亡霊「DTK」 デジタル・タコツボ・カイゼンが変革を骨抜き (木村岳史の極言暴論!)
2026/6/11

人売りベンダーの経営者は悔い改めよ 今だけSIerを下克上するチャンスあり (木村岳史の極言暴論!)
2026/6/4

「話が通じない日本人」が急増している本当の理由 「相手の説明を理解できない人」に共通する欠点とは? | キャリア・教育 | 東洋経済オンライン
2026/6/22

有給を取るとき「仕事ができる人」がすること・ベスト1 - 3000件の職場の悩みを解決したプロが教える リーダーのふるまい大全
2026/6/22

新幹線で前の人が「シート倒していい?」→OKしたらめいっぱい倒されて窮屈。「もう少し立てて」と言っていい? - 大人の言い換え力検定
2026/6/22
こんな記事も読まれています

AKB48契約解除の花田藍衣 丸刈り・マスク姿で騒動説明「鏡で見て本当につらくなりました」(東スポWEB)
2026/6/23

「21世紀の石原裕次郎を探せ!」でデビューから26年、舘ひろしと2ショットの47歳俳優の近影に「石原軍団の絆よ永遠に…」「素敵な写真、お二人とも…」の声(西スポWEB OTTO!)
2026/6/23

マユリカ中谷、エバースに憧れ?自身のゲーム化希望も阪本から辛辣ツッコミ 『アステリア AI 新製品発表会』(オリコン)
2026/6/23

ケビン・ウォルシュ氏率いる新たなFRB
2026/6/23

Ado、ビリー・アイリッシュ/ブルーノ・マーズら所属のWMEとのエージェント契約を締結(Billboard JAPAN)
2026/6/23
コメント (0)
まだコメントはありません。最初のコメントを書いてみましょう。
この記事について疑問がありますか?
事実誤認や不適切な内容について通報できます (要ログイン)。
異議申し立て・通報