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business2026/6/17 9:13:31
5月の中東からの原油輸入量 前年同月比61.9%減

画像: Pixabay

5月の中東からの原油輸入量 前年同月比61.9%減

出典: NHK ビジネス (原典を開く)

ニュース概要

先月の貿易統計が発表され、中東からの原油の輸入量は、ホルムズ海峡の事実上の封鎖が続いた影響で前の年の同じ月より61.9%減少しました。また、中東からのナフサを含む揮発油の輸入量も90%減少しました。

解説

先月発表された貿易統計で、日本が中東から輸入する原油の量が、前の年の同じ月と比べて驚くほど大きく減ったというニュースがありました。具体的には、原油が61.9%も減り、ガソリンの原料になるナフサなどの揮発油に至っては90%も減少したとのこと。これは、中東のホルムズ海峡という、世界の原油輸送にとって非常に重要な場所で、事実上の封鎖が続いていたことが大きく影響していると見られています。

ホルムズ海峡は、ペルシャ湾とアラビア海を結ぶ細い海峡で、サウジアラビアやイラン、UAEといった主要な産油国から世界各地へ原油を運ぶタンカーが必ず通る「石油の通り道」です。世界の原油の約2割、日本の原油輸入の約8割がこの海峡を通ると言われています。もしこの海峡が何らかの理由で閉鎖されれば、日本だけでなく世界中のエネルギー供給に大きな影響が出るのは避けられません。今回の「事実上の封鎖」というのは、物理的に船が通れないわけではなくても、情勢の不安定さや安全保障上の懸念から、多くの船会社や保険会社がこのルートを使うのをためらったり、大幅な追加費用が発生したりしている状況を指すことが多いです。結果として、輸送コストが高騰したり、そもそも船を手配できなかったりして、輸入量が激減したと考えられます。

日本はエネルギー資源のほとんどを海外からの輸入に頼っており、特に原油については中東への依存度が高いのが現状です。今回の輸入量の大幅な減少は、単に「数字が減った」というだけでなく、私たちの生活や経済にじわじわと影響を及ぼす可能性があります。例えば、ガソリン価格がさらに上がったり、工場を動かすコストが増えたりすることで、最終的には身の回りの商品の値段が上がってしまう、といったことが考えられます。企業にとっては、安定したエネルギー供給が難しくなることで、生産計画の見直しや、代替となるエネルギー源の確保、あるいは調達先の多角化をさらに進める必要に迫られるでしょう。

過去にも、中東情勢の不安定化はたびたび原油価格の高騰や供給不安を引き起こしてきました。今回の事態は、日本がエネルギー安全保障を改めて見直し、中東地域への過度な依存から脱却する必要性を改めて突きつけるものと言えるでしょう。長期的な視点で見れば、再生可能エネルギーへの投資加速や、液化天然ガス(LNG)など他のエネルギー源の確保、そして原油の備蓄増強といった対策が、これまで以上に重要になってくるはずです。私たちは、このような国際情勢の変化が、いかに私たちの日常と密接に結びついているかを理解し、今後の動向に注目していく必要があります。

関連データ

5月の中東からの原油輸入量
前年同月比61.9%減少
出典:NHK ビジネス
5月の中東からの揮発油輸入量(ナフサ含む)
前年同月比90%減少
出典:NHK ビジネス
世界の原油輸送におけるホルムズ海峡の通過割合
約20%
出典:米国エネルギー情報局(EIA)
日本の原油輸入におけるホルムズ海峡の通過割合
約80%
出典:経済産業省

今後の予測

今後の予測としては、いくつかのシナリオが考えられます。

**シナリオ1:情勢の長期化とコスト増大** ホルムズ海峡周辺の情勢不安定が長引けば、日本の中東からの原油輸入量は低水準で推移する可能性が高いです。これにより、日本企業は代替の調達先(例えば、ロシアやアメリカ、アフリカなど)を探す動きを加速させますが、輸送距離の延長や新たな契約交渉により、調達コストは上昇するでしょう。結果として、国内のガソリン価格や電気料金に影響が出やすくなり、物価全体を押し上げる要因となるかもしれません。政府は、国家備蓄の放出や、エネルギーの多様化戦略をさらに推進せざるを得なくなるでしょう。

**シナリオ2:外交努力による緊張緩和** 関係国間の外交努力が奏功し、ホルムズ海峡周辺の緊張が緩和に向かう場合、原油の輸入量は徐々に回復する可能性があります。これにより、一時的に高まったエネルギー価格の落ち着きが期待できますが、一度失われた信頼やサプライチェーンの再構築には時間がかかります。日本企業は、リスク分散の観点から、中東以外の調達先との関係も維持・強化していくと見られます。

**シナリオ3:エネルギー構造転換の加速** 今回の事態を契機に、日本が中東原油への依存度をさらに下げる方向へ大きく舵を切る可能性もあります。再生可能エネルギーへの投資が加速したり、原子力発電所の再稼働議論が活発化したりするなど、国内のエネルギー自給率を高める動きが強まるでしょう。短期的にはコスト増を伴いますが、長期的にはエネルギー安全保障の強化に繋がり、国際情勢のリスクに左右されにくい経済構造への転換が進むかもしれません。

ニュースタイムライン

  1. 2026年6月4日

    4月の実質賃金 前年同月比1.9%増 4か月連続でプラス 厚労省

    NHK ビジネス

  2. 2026年6月10日

    5月企業物価指数 前年同月比6.3%上昇 イラン情勢の影響続く

    NHK ビジネス

参考引用

中東からの原油の輸入量は、前の年の同じ月より61.9%減少しました。

NHK ビジネス

中東からのナフサを含む揮発油の輸入量も90%減少しました。

NHK ビジネス
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