
ドーム30個分の山林、県が活用策探る 空港関連事業頓挫から25年
出典: 朝日新聞デジタル (原典を開く)
ニュース概要
愛知県常滑市沖で中部空港が建設される際、県企業庁が埋め立て用の土砂採取のために取得した山林(同県西尾市)が採取事業の頓挫後、四半世紀にわたって「塩漬け」状態になっている。バンテリンドーム約30個分の…
解説
愛知県の西尾市に、なんとバンテリンドーム約30個分もの広大な山林が、四半世紀もの間「塩漬け」になっているって知っていましたか?
この話の始まりは、今から25年以上も前。愛知県沖に中部国際空港(セントレア)を造る計画が進んでいた頃にさかのぼります。空港を海の上に作るためには、大量の土砂で埋め立てる必要がありますよね。そこで、愛知県の企業庁は、埋め立て用の土砂を採るために、西尾市の山林を買い取りました。
ところが、計画は途中で大きく変わってしまいます。空港の建設方法が見直され、埋め立てに必要な土砂の量が予想よりもはるかに少なくて済むことになったんです。その結果、せっかく買い取ったこの広大な山林からは、ほとんど土砂が採られることなく、事業は頓挫してしまいました。
それから25年。この山林は、県が所有しているにもかかわらず、これといった活用策が見つからず、手つかずのまま放置されてきたのが現状です。まるで、大きな宝の山が目の前にあるのに、どう使っていいか分からず、ただ見ているだけ、といった状況ですね。
地元の住民にとっては、この広大な土地がどうなるのか、ずっと気になっていたはずです。例えば、森林として整備して観光資源にできないか、あるいは、再生可能エネルギーの発電所などに活用できないか、といった期待もあったかもしれません。しかし、これまで具体的な動きはありませんでした。
最近になって、ようやく愛知県はこの「塩漬け」状態の山林の活用策を探り始めたようです。25年という長い年月を経て、ようやく重い腰を上げた、といったところでしょうか。これだけの広大な土地ですから、活用方法によっては、地域に大きな恩恵をもたらす可能性を秘めています。例えば、SDGs(持続可能な開発目標)が重視される現代において、環境に配慮した森林保全のモデルケースにしたり、体験学習の場として活用したり、様々なアイデアが考えられます。
この問題は、単に土地の有効活用というだけでなく、公共事業の計画変更によって生じる「負の遺産」をどう処理していくか、という行政のあり方も問いかけています。一度計画が頓挫したとしても、その後のフォローアップや、時代に合わせた柔軟な発想で、新たな価値を生み出す努力が求められますね。この広大な山林が、これからの愛知県にとって、どのような未来を描くのか、注目していきたいところです。
関連データ
今後の予測
今後のこの山林の活用には、いくつかのシナリオが考えられます。
一つ目のシナリオは、「環境保全型活用」です。現在の地球環境への意識の高まりから、単なる開発ではなく、山林本来の生態系を活かした自然公園や森林セラピーロードとしての整備が考えられます。地域の観光資源として新たな魅力を創出し、持続可能な地域活性化に貢献するでしょう。ただし、初期投資や維持管理の費用が課題となります。
二つ目のシナリオは、「再生可能エネルギー拠点化」です。広大な土地を活かし、太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーの施設を誘致する可能性があります。これは国のエネルギー政策とも合致し、地域への経済効果も期待できますが、景観への影響や地元住民の理解を得ることが重要になります。
三つ目のシナリオは、「複合的な活用」です。一部を環境保全地区としつつ、残りのエリアで農業体験施設や教育施設、あるいは企業の研修所などを誘致し、多様なニーズに応える形です。これにより、リスクを分散しながら、より多くの人々に利用される可能性が高まります。しかし、異なる目的の施設を共存させるための計画調整が複雑になることが予想されます。
どのシナリオにおいても、愛知県が地元自治体や住民と密接に連携し、長期的な視点に立った計画を策定することが成功の鍵となるでしょう。
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