News in Focus
テクノロジー2026/6/17 8:00:08
三菱UFJ銀行、PPAP を原則取り止め(ScanNetSecurity)

画像: Pixabay

三菱UFJ銀行、PPAP を原則取り止め(ScanNetSecurity)

出典: Yahoo!ニュース IT (原典を開く)

ニュース概要

株式会社三菱UFJ銀行は6月8日、同行からの添付ファイル送信方法の変更について発表した。

解説

皆さんは、メールで送られてきたパスワード付きのファイルを開くとき、別のメールで送られてくるパスワードを入力する、という経験はありませんか?

この方法、実は「PPAP(ピーパップ)」と呼ばれていて、日本独特の文化として長く使われてきました。PPAPとは、P(パスワード付きファイルを送り)、P(パスワードを送り)、A(暗号化し)、P(プロトコル=手順)の頭文字を取ったもので、ファイルをパスワードで保護して送り、そのパスワードを別のメールで送ることで、もしメールが途中で盗み見られても、ファイルの中身は守られる、という考え方に基づいています。

しかし、このPPAP、実はセキュリティの専門家からは「あまり安全ではない」と指摘されてきました。なぜなら、もしメールを盗み見ようとする悪い人がいた場合、ファイルが送られてくるメールと、パスワードが送られてくるメール、両方を盗み見られてしまう可能性が高いからです。同じ経路で送られてくるわけですから、両方手に入れるのはそれほど難しくない、というわけですね。これでは、せっかくパスワードをつけた意味が薄れてしまいます。

さらに、PPAPは受け取る側にとっても手間がかかります。パスワードを入力する手間はもちろん、パスワードを忘れてしまったり、どちらのメールがパスワードなのか分からなくなったりすることも少なくありません。特に、たくさんのファイルを受け取る人にとっては、かなりの負担になります。

そんな中、ついに国内最大手の銀行の一つである三菱UFJ銀行が、このPPAPを原則としてやめることを発表しました。これは、日本のビジネスシーンにおける大きな変化の兆しと言えるでしょう。これまでは「慣習だから」と使われ続けてきたPPAPですが、セキュリティへの意識の高まりや、より効率的な働き方を求める声が増えてきたことで、いよいよ見直しの動きが本格化してきたのです。

では、PPAPをやめる代わりにどうするのでしょうか? 三菱UFJ銀行は、安全なファイル転送サービスや、クラウドストレージの利用を検討しているようです。これらのサービスは、ファイルを送る人と受け取る人の間で、より安全に、そしてスムーズにやり取りができるように設計されています。例えば、ファイルをアップロードすると、受け取る側にはダウンロード用のURLだけが送られ、ダウンロードの際には認証が必要になる、といった仕組みが一般的です。これなら、メールが盗み見られても、簡単にファイルの中身を見られる心配は少なくなりますし、パスワードをいちいち入力する手間も省けます。

今回の三菱UFJ銀行の動きは、他の企業にも大きな影響を与えることでしょう。特に、個人情報や機密情報を扱う機会の多い金融業界では、セキュリティ対策は最重要課題です。今後、他の銀行や大手企業もPPAPからの脱却を進める可能性が高く、日本の働き方や情報セキュリティのあり方が、大きく変わっていくきっかけになるかもしれません。

関連データ

PPAPのセキュリティリスク
ファイルとパスワードが同じ経路で送られるため、両方が同時に漏洩するリスクがある。
出典:情報セキュリティ専門家の指摘
PPAP廃止の動き
2020年には内閣府・内閣官房がPPAP利用を廃止することを発表し、政府機関での見直しが進んだ。
出典:内閣府・内閣官房
代替手段の例
ファイル転送サービス、クラウドストレージ、オンラインストレージ連携機能など。
出典:情報セキュリティ業界トレンド
三菱UFJ銀行の規模
国内最大手銀行の一つであり、その動向は他金融機関や一般企業への影響が大きい。
出典:金融業界情報

今後の予測

三菱UFJ銀行のPPAP原則廃止の発表は、日本のビジネス慣習に大きな波紋を呼ぶでしょう。今後の予測としては、いくつかのシナリオが考えられます。

一つ目は、**「PPAP廃止の加速と標準化」**です。金融業界は特にセキュリティ意識が高く、三菱UFJ銀行という大手が進めることで、他のメガバンクや地方銀行、証券会社なども追随し、PPAP廃止の動きが業界全体に広がる可能性があります。これにより、ファイル転送サービスやクラウドストレージの導入が加速し、より安全で効率的なファイル共有方法が業界標準となるでしょう。

二つ目は、**「中小企業への波及と課題」**です。大手企業がPPAP廃止を進めることで、取引先である中小企業にも新たなファイル共有方法への対応が求められます。これはセキュリティレベルの向上に繋がる一方で、システム導入や従業員の教育コストなど、中小企業にとっては新たな負担となる可能性も秘めています。政府や業界団体による支援策が重要になるかもしれません。

三つ目は、**「新たなセキュリティサービスの台頭」**です。PPAPに代わる安全なファイル共有の需要が高まることで、より高度な暗号化技術や認証システムを備えたファイル転送サービスや、情報漏洩対策に特化したクラウドサービスなどが、さらに進化し、市場で存在感を増していくことが予想されます。セキュリティベンダー間の競争も激化し、より使いやすく、安全なソリューションが次々と登場するでしょう。

ニュースタイムライン

  1. 2026年6月9日

    三菱UFJ、PPAP廃止計画「以前からあった」 今になって実施の経緯は

    ITmedia NEWS 速報

  2. 2026年6月9日

    三菱UFJ、PPAP廃止計画「以前からあった」 今になって実施の経緯は(ITmedia NEWS)

    Yahoo!ニュース IT

  3. 2026年6月12日

    福井県警とサイバーサクラ、鯖江市で中高生向け「リアルサイバー捜査体験」を開催(ScanNetSecurity)

    Yahoo!ニュース IT

  4. 2026年6月14日

    Check Point Software Technologies社のUTM製品に不適切な認証の脆弱性、6月上旬には悪用の試行が増加(ScanNetSecurity)

    Yahoo!ニュース IT

  5. 2026年6月14日

    マイクロソフトが 6 月のセキュリティ情報公開、悪用の事実を確認済みの脆弱性が 1 件(ScanNetSecurity)

    Yahoo!ニュース IT

  6. 2026年6月14日

    Adobe Acrobat および Reader に脆弱性(ScanNetSecurity)

    Yahoo!ニュース IT

  7. 2026年6月15日

    東日本銀行が BIMI を導入(ScanNetSecurity)

    Yahoo!ニュース IT

  8. 2026年6月16日

    OpenSSL Security Advisory [9th June 2026] を公開(ScanNetSecurity)

    Yahoo!ニュース IT

  9. 2026年6月16日

    リコーおよびコニカミノルタジャパン製プリンタドライバに権限昇格の脆弱性(ScanNetSecurity)

    Yahoo!ニュース IT

  10. 2026年6月16日

    「責任者向けプログラム 業界別サイバーレジリエンス強化演習」9 / 3 ~ 4 に IPA で開催(ScanNetSecurity)

    Yahoo!ニュース IT

参考引用

三菱UFJ銀行は6月8日、同行からの添付ファイル送信方法の変更について発表した。

Yahoo!ニュース IT
🤖

記事AI質問チャット

PREMIUM

この記事についてAIが質問に答えます。背景・要約・影響まで深堀り。

ログインして利用

🛡️ 読者ファクトチェック0

読者が投稿し、管理者承認後に表示される事実確認情報

まだ承認済みのファクトチェックはありません。

ファクトチェックを投稿するには ログイン が必要です

関連記事

こんな記事も読まれています

コメント (0)

コメント投稿にはログインが必要です。

まだコメントはありません。最初のコメントを書いてみましょう。

この記事について疑問がありますか?

事実誤認や不適切な内容について通報できます (要ログイン)。

異議申し立て・通報