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国内2026/6/20 5:00:23
縮小社会に生きる:平均乗車人数「0人」の駅 毎日ホームで「お客さん」を待つ2人

縮小社会に生きる:平均乗車人数「0人」の駅 毎日ホームで「お客さん」を待つ2人

出典: 毎日新聞 (原典を開く)

ニュース概要

岡山県と広島県の山間部を走るJR芸備線の内名駅(広島県庄原市)。1日に発着するのは上下線で朝、昼、夜の計6本だけ。JR西日本によると、1日の平均乗車人数は2021年度から「0人」が続く。

解説

広島県と岡山県を結ぶJR芸備線、その中の内名(うちな)駅をご存じでしょうか。この駅は、なんと2021年度から1日の平均乗車人数が「0人」という、ちょっと信じられない数字が続いているんです。朝、昼、夜に上下合わせてたった6本の列車しか停まらないこの駅は、まるで時が止まったかのような静けさに包まれています。

「平均乗車人数0人」と聞くと、「そんな駅、なぜ存在しているの?」と思うかもしれません。しかし、この数字の裏には、日本の地方が抱える深刻な問題が隠されています。それは、人口減少と高齢化、そして公共交通機関の維持という課題です。

内名駅がある庄原市のような山間部では、若い世代の流出が進み、残された住民の多くが高齢者です。車を運転できない高齢者にとって、公共交通は貴重な移動手段ですが、利用者が少なくなればなるほど、鉄道会社は路線の維持が難しくなります。採算が取れない路線を維持し続けることは、企業にとっては大きな負担だからです。

では、なぜJR西日本は「0人」の駅を廃止しないのでしょうか。もちろん、すぐに廃止できない様々な事情があります。地域住民の生活への配慮、自治体との協議、そして路線の存続を求める声などです。鉄道は単なる移動手段ではなく、地域の象徴であったり、災害時の避難経路になったりする側面も持ち合わせているからです。

この内名駅の事例は、日本の地方が直面している縮小社会の現実を私たちに突きつけます。かつては賑わっていたであろう駅が、今は誰も乗降しない場所になっている。これは、鉄道に限らず、地域の商店街や学校、病院など、あらゆる公共サービスが同じような課題に直面していることを示唆しています。

私たちは、この「0人」の駅のニュースを単なる珍しい話として消費するのではなく、自分たちの住む地域や、将来の社会のあり方を考えるきっかけにすべきです。地域コミュニティの維持、新たな交通手段の模索、そして都市と地方の関係性など、多角的な視点から議論を深める必要があるでしょう。内名駅のホームで列車を待つ人々はいないかもしれませんが、その存在自体が、現代社会に大切な問いを投げかけているのです。

関連データ

内名駅の1日あたりの平均乗車人数
0人
出典:JR西日本(2021年度〜)
内名駅の発着列車数(1日)
上下線合計6本
出典:JR西日本
JR芸備線(備中神代~広島間)の輸送密度(2022年度)
249人/日
出典:JR西日本
庄原市の人口(2023年12月末時点)
3万1,921人
出典:庄原市
庄原市の高齢化率(2023年12月末時点)
46.1%
出典:庄原市

今後の予測

内名駅のような利用者の少ない駅や路線の未来には、いくつかのシナリオが考えられます。

まず一つは、現状維持のシナリオです。JR西日本が地域の生活路線としての責務を果たすため、赤字路線であっても運行を継続するケースです。ただし、運行本数のさらなる削減や、ワンマン運転の拡大など、コスト削減策は進むでしょう。自治体からの財政支援が不可欠となり、存続に向けた協議が頻繁に行われることになります。

次に、廃止・転換のシナリオです。利用者が極端に少ない状況が続けば、最終的には路線の一部または全部が廃止される可能性があります。その場合、バスやデマンド交通(利用者の要請に応じて運行する交通機関)など、別の交通手段への転換が検討されます。地域住民にとっては不便が増す可能性もありますが、より地域のニーズに合わせた柔軟な交通サービスに変わるかもしれません。

そして、地域活性化と連携するシナリオも考えられます。例えば、駅を地域の観光拠点や交流施設として活用し、鉄道利用者を増やす取り組みです。サイクリング客の誘致や、地域イベントと連携した臨時列車の運行などが考えられます。しかし、これは地域に明確な魅力や資源があり、それらを活用する強力なリーダーシップが求められるため、実現には大きなハードルがあります。

いずれのシナリオも、鉄道会社だけでなく、自治体、地域住民、そして国が協力し、長期的な視点で地域の未来をどう描くかが問われることになります。内名駅の未来は、日本の縮小社会における公共交通のあり方を占う試金石となるでしょう。

ニュースタイムライン

  1. 2026年6月17日

    縮小社会に生きる:中国地方の人口5県合わせても埼玉より少なく 軒並み減少が加速

    毎日新聞

  2. 2026年6月17日

    縮小社会に生きる:「おかえり」で決めた移住 人口40人の島で始めたビール造り

    毎日新聞

参考引用

平均乗車人数「0人」が続く。

毎日新聞

1日に発着するのは計6本だけ。

毎日新聞
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