
米軍、有事で投入戦力を削減へ NATOに文書で提示 米報道
出典: 毎日新聞 (原典を開く)
ニュース概要
米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は12日、トランプ米政権が北大西洋条約機構(NATO)の加盟国に対し、有事の際にNATOに投入する戦力の削減内容を文書で提示したと報じた。戦闘機は3分の1の削減となり、ミサイル搭載の潜水艦や空母打撃群の割り当ても見直される。NATOの長距離攻撃や監視活動の能力が
解説
アメリカのトランプ政権が、もし再び政権を握った場合、北大西洋条約機構(NATO)への軍事的な協力体制を大きく変えようとしているというニュースが飛び込んできました。
具体的には、もしヨーロッパで何か大変なことが起きて、NATOが協力して対応する必要がある時に、アメリカが投入する戦闘機の数を約3分の1に減らすだけでなく、ミサイルを搭載した潜水艦や、航空母艦を中心とした強力な艦隊(空母打撃群と呼ばれます)の派遣も再検討するという内容です。これは、NATOが遠くの目標を攻撃したり、敵の動きを監視したりする能力に大きな影響を与える可能性があります。
NATOは、第二次世界大戦後、旧ソ連の脅威に対抗するために、アメリカ、カナダ、そして西ヨーロッパの国々が協力して作った軍事同盟です。加盟国の一つが攻撃されたら、全加盟国への攻撃とみなして、みんなで助け合うという「集団的自衛権」の原則が柱となっています。この同盟の最大の強みは、なんといってもアメリカの圧倒的な軍事力です。アメリカが強力な軍隊をヨーロッパに派遣することで、加盟国は安心して自分たちの防衛を任せることができました。
しかし、トランプ前大統領は、以前から「アメリカばかりがNATOの防衛費を負担しているのはおかしい。ヨーロッパの国々ももっとお金を出すべきだ」と主張してきました。彼の考えは、アメリカが世界の警察官として、どこへでも軍隊を派遣するのではなく、まずは自国の利益を最優先すべきだという「アメリカ・ファースト」という考え方に基づいています。今回の報道は、その考えが具体的な軍事計画にまで落とし込まれていることを示唆しています。
もしアメリカが本当にNATOへの軍事貢献を減らせば、ヨーロッパの安全保障のあり方は大きく変わるでしょう。加盟国は、自分たちの防衛力を強化するために、これまで以上に多くの予算を投入したり、あるいは新たな同盟関係を模索したりする必要が出てくるかもしれません。これは、単に軍事的な問題にとどまらず、ヨーロッパ各国の政治や経済、さらには世界全体のパワーバランスにも影響を与える、非常に重要な動きだと言えます。
関連データ
今後の予測
今後の展開としては、いくつかのシナリオが考えられます。
まず、トランプ氏が再び大統領になった場合、この削減案が実際に実行に移される可能性が高いでしょう。その場合、NATO加盟国は、アメリカからの軍事支援が減ることに備え、自国の防衛予算を大幅に増やすか、あるいはヨーロッパ独自の防衛協力体制を強化する動きを加速させるかもしれません。例えば、フランスやドイツが中心となって、より統合された欧州軍のような構想が具体化する可能性も考えられます。
もう一つのシナリオは、アメリカ国内やNATO加盟国からの強い反発によって、削減案が一部修正されるか、あるいは実行が棚上げされるケースです。特に、ロシアのウクライナ侵攻のような地政学的な緊張が高まっている現状では、NATOの結束を弱めることは、かえって世界を不安定にするという意見も根強くあります。しかし、トランプ氏の「アメリカ・ファースト」の姿勢が変わらない限り、根本的な見直しは難しいかもしれません。
いずれにせよ、今回の報道は、今後の国際情勢、特にヨーロッパの安全保障環境に大きな影響を与えることになります。各国がどのように対応していくのか、注意深く見守る必要があります。
ニュースタイムライン
2026年6月3日
トランプ氏、7月のNATO首脳会議出席へ「NATOの歴史で最も重要な会議」と国務長官産経新聞
2026年6月4日
トランプ氏、NATO首脳会議出席へ 国務長官「重要な会合」毎日新聞
2026年6月10日
ウクライナのNATO加盟、北欧など支持 「安全保障は不可分」毎日新聞
参考引用
“戦闘機は3分の1の削減となり、ミサイル搭載の潜水艦や空母打撃群の割り当ても見直される。
― 毎日新聞
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