
一票の格差訴訟、東京高裁も「合憲」 衆院選めぐり15件が合憲判断
出典: 朝日新聞デジタル (原典を開く)
ニュース概要
「一票の格差」が最大2.09倍だった2月投開票の衆院選は「定数配分や区割りが人口に比例しておらず憲法違反だ」として、三竿径彦弁護士のグループが選挙無効を求めた訴訟の判決が12日、東京高裁(阪本勝裁判…
解説
2024年2月に行われた衆議院選挙について、「一票の格差」を巡る訴訟の判決が東京高裁で出され、今回の選挙は「合憲」、つまり憲法のルールに沿っているという判断が示されました。この「一票の格差」とは、簡単に言えば、選挙で私たちが投じる一票の重さが、住んでいる地域によって違う可能性がある、という問題です。
具体的には、人口の少ない選挙区と人口の多い選挙区とで、議員一人あたりの有権者数に大きな差が出ると、「一票の価値」に違いが生まれます。例えば、人口が少ない選挙区では、少ない票で当選できるのに、人口が多い選挙区では、当選するためにたくさんの票が必要になる、といった状況です。今回の衆議院選挙では、この格差が最大で2.09倍だったと指摘されています。つまり、最も人口の少ない選挙区の一票が、最も人口の多い選挙区の一票の2.09倍の重みを持っていた可能性がある、ということです。
もちろん、選挙制度は複雑で、ただ人口だけで区割りを決めるわけではありません。地域ごとの歴史や文化、行政区分なども考慮に入れる必要があります。しかし、憲法は「法の下の平等」を定めており、選挙権の行使においても平等であることが求められます。そのため、この「一票の格差」が一定以上大きくなると、憲法に違反しているのではないか、と問題になるわけです。
今回の東京高裁の判決では、「合憲」と判断されましたが、これは「格差が全くないのが理想だが、現状では許容範囲内」という見方を示したものです。裁判所は、国会が選挙制度の見直しに努力していることを評価し、すぐに違憲と判断するほどの大きな格差ではない、と判断したと考えられます。
この問題は、過去にも何度も裁判で争われてきました。そのたびに、裁判所は国会に対して、格差の是正を求める厳しい意見を述べてきました。その結果、選挙区の区割りが見直されたり、議員の定数が変更されたりすることもあったのです。私たち有権者にとっては、自分の一票が平等に扱われているのか、そしてその選挙制度がより良いものになっているのか、常に注目していくべき重要なテーマだと言えるでしょう。
関連データ
今後の予測
今回の東京高裁の「合憲」判決は、直ちに選挙制度が大きく変わるわけではないことを示唆しています。しかし、この問題が完全に解決したわけではありません。今後も、次の選挙に向けて、国会は「一票の格差」を是正するための議論を続けることが予想されます。具体的には、人口変動を考慮した選挙区の区割り見直しや、議員定数の調整などが検討されるでしょう。
一つのシナリオとしては、国会が現在の制度を微調整し、格差を縮小させる努力を続けることです。これは、抜本的な改革ではなく、漸進的な改善を目指す動きと言えます。もう一つのシナリオとしては、将来的に人口減少が進み、地方と都市の人口差がさらに拡大した場合、再び「違憲状態」と判断される可能性もゼロではありません。その際には、より大胆な選挙制度改革が求められることになるかもしれません。例えば、小選挙区制と比例代表制のバランスの見直しや、選挙区の統廃合などが議論の俎上に載る可能性もあります。いずれにせよ、私たち有権者としては、自分たちの代表を選ぶ仕組みが、常に公平で民主的であるよう、その動向を注視していく必要があります。
ニュースタイムライン
2026年6月5日
一票の格差訴訟、仙台高裁秋田支部も「合憲」判断 2月の衆院選朝日新聞デジタル
2026年6月9日
一票の格差訴訟、仙台高裁も「合憲」 2月の衆院選無効の請求を棄却朝日新聞デジタル
2026年6月12日
2月の衆院選は「合憲」 1票の格差めぐる裁判 東京高裁NHK 社会
参考引用
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